痛みのリアルを伝え続ける、京都が産んだスターANARCHY。
日本語ラップのかっこよさを再確認できる数々の作品は、聴く人を虜にします。
圧倒的な存在感とカリスマ性で幅広い層から支持される彼の、プロフィールから経歴、生い立ちを掘り下げたいと思います。
かなり珍しい罪状で逮捕された経験や、名だたる盟友についてもご紹介!
ANARCHYのプロフィール
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MCネーム | ANARCHY |
---|---|
本名 | 北岡健太 |
生年月日 | 1981年9月2日 |
血液型 | O型 |
生まれ | 大阪府 |
出身 | 京都府伏見区向島 |
事務所 | avex |
レーベル | ONEPERCENT |
SNS | Twitter / Instagram |
ANARCHYの育った向島は、低所得者が多く住んでいた地域だそうです。
市営団地(向島ニュータウン)で育ち、7歳のときに両親が離婚し、その後は父の手1つで育てられます。
ANARCHYの父親
両親の離婚後、父(北岡 翔)と2人での生活はかなり厳しく、食事はインスタントラーメンばかりだったとか。
ロカビリーバンドを組んでいるANARCHYの父は、そんな生活の中でもアメ車を乗り回していたそう!
父の影響を大きく受けていたANARCHYは、「ラップでなくても何かしら音楽はやってたと思う」と語っています。
現在は”Lucky’s club”というアメリカンライブバーでバンド活動を続けている父。
元々は瓦職人でしたが、ANARCHYが中学3年生の頃に刺青の修行を始めたそう。
ANARCHYの身体を覆う刺青は、父に彫ってもらったものだそうです!
後ほど掘り下げるANARCHYの逮捕に関しては、その記事が載った新聞を切り抜いて保管しているのだとか…
ANARCHYは結婚している?彼女は「MARIA」?
ANARCHYといえば以前から、ラッパー女王MARIAとの噂が立っています。
上記の動画では以下のようなラインも。
「MARIAちゃん原宿に来れる? / ご飯行こう その後は映画でもどう? 2人でお洒落してデート 探すクリスマスプレゼント」
また、ANARCHYの”BLACK MARIA”という楽曲は、自身の経験や思いを描いたラブソングだとか!
2人とも交際を認めるようなコメントは発表していないため、確実な情報ではありませんね。
ANARCHYの子ども
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以前ANARCHYのSNSで登場していた小さな女の子。
2021年5月に再度登場し、この女の子がANARCHYの子どもという説が濃厚です。
ANARCHYのファッション
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初期のANARCHYはストリート感あふれるB−BOYファッションが印象的でした。
最近ではSupremeなど、トレンドのブランドを取り入れているANARCHY。
初期に比べて、どちらかというとスタイリッシュな印象です。
原宿あたりをぶらぶらしていることが多いそう。BILLY’SやSUNNY C SIDER、ミシカ、GDKといった店によく行くそうで、通っているご飯屋さんも原宿にあるのだとか。
BILLY’Sは、スニーカーの中でも特に好きだというVANSが揃っているため、月に何度も訪れることもあるそうです!
同じVANSの靴を繰り返し購入して買うほどのVANSファンです。
ANARCHYの夢
ANARCHYの夢は「遊びを仕事にする事」です。
夢くらい持っていないと前を向けない過酷な環境で育ったANARCHYは、幼い頃から遊びを仕事にしたいと思っていました。
ライブのステージは遊び場だとも語っています。
楽曲制作では一つのテーマと真剣に向き合い「伝える」事を意識して制作していますが、完成後のライブは遊びであり「夢を叶えている瞬間」と言えますね。
型破りなANARCHYらしい夢です。
また、若いラッパーにも夢を持つように語っています。
ANARCHYの生い立ち
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幼少期〜小学生時代
大阪府で生まれたANARCHYは、3歳頃、京都府は伏見区向島にある向島ニュータウンに引っ越します。
そして7歳の頃には、両親の離婚を経験。
7歳というと、小学一年生くらいですので、当人も複雑な心境でったのではないでしょうか。
幼い頃は周りの人に助けられたことも多かったようで、「自分の周りに困っている子供がいたら手を差し伸べたい」と語っています。
ちなみにANARCHYは小学生の頃から金髪で、”金髪のケンタ”というあだ名だったそうです。
冒険と言って夜中に外を出歩いたりと、この頃からなかなかやんちゃだった様子が伺えますね。
中学生時代
漫画”SLAM DUNK”の影響でバスケットをしていたANARCHY。
授業にはほとんど出席していなかったものの、部活動はかなり真面目に取り組んでいたそうです!
そして中学2年生の頃、ANARCHYはラップと出会います。
ラップを始めたばかりの頃は、友達と公園で練習のようなことをしていたそうです。
その中で自分の才能に気づき始めた彼は3年生になると、自分主催のパーティーを開きます。
フライヤーとチケットは自分で作成し、近隣の学校に配り歩きます。
京都にあるクラブを貸し切って、隣町の中学校の生徒など300人ほど集めたそうです。
ANARCHYの経歴や過去
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暴走族時代
中学卒業後、高校には進学せずアルバイトをしながら主にライブ活動をしていたANARCHY。
しかし16歳の時、その若さにして暴走族の総長となります。
「暴走族にも単車にも興味はなく、特攻服も要らなかった。ただ喧嘩がしたかっただけ。」と語っています。
暴走族だった時代については、自身の著書”痛みの作文”で下記のように執筆しています。
オレらは毎日のように暴れた。暴れてないと年上にヤラれるから。ケンカしにいくか単車いじるか。(中略)街に一週間単車の音が聞こえへんかったら地元の先輩に集合させられる。それで顔面割られる。暴走族に入る時も全員ド突かれてから入る。オレら全員並んだところで「全員ド突かれる根性あんの?」って言われて、「お願いします」って。それで全員ボコボコにド突かれて「ありがとうございましたっ」って。めっちゃ厳しい。
引用: https://www.google.co.jp/amp/s/amp.amebaownd.com/posts/2702644
決闘罪での逮捕
ANARCHYは18歳の時に逮捕され、一年間少年院で過ごした経験があります。罪状は”決闘罪”。
経緯は200人の中から代表が5対5で喧嘩することになり、ANARCHYも代表になります。
その時喧嘩した人が警察に呼ばれ、「決闘罪」で逮捕されました。
なんと当時この罪状で逮捕されたのは、彼が日本で3例目だったそうです!これに関してANARCHYの父は「お前すごいな!」と目を輝かせたのだとか…
過去には水曜日のダウンタウンで、”適用された事の無い罪名、山ほどある説”という説にVTR出演しています。
ANARCHYを知らない方からすると、かなり驚きのエピソードですよね!
HIP HOPとの出会い〜デビュー
中学二年生の時に日本語ラップと出会ったANARCHY。
きっかけはスチャダラパーだったと言い、相方のような存在の友達とスチャダラパーのコピーをしていたそうです。
15歳にしてラップを始めますが、18歳の頃には逮捕、少年院での生活を経験しています。
その少年院の中で、音楽番組”Hey!Hey!Hey!”に出演していたZEEBRAを見て、本格的にラッパーとして活動する決意をしたそうです!
ANARCHYの逮捕により解散した暴走族時代のチーム”ANARCHY”。
その後はチームの名前をそのまま背負い、ラッパーとしての活動を始めます。
RUFF NECK結成
RUFF NECKの結成はANARCHYの中学時代まで遡ります。
中学の同級生「DJ AKIO」らと共に「サムライ」を結成。公園でラップをしたり「さんぴんCAMP」のビデオを見る日々を送ります。
後に噂を聞きつけた「YONG BERY」と「NAUGHTY」が加入。
2000年にメンバーが増えてきた事を理由に「サムライ」として解散ライブをして、メンバーそのままに「RAFF NECK」を結成・活動をします。
2002年「RAFF NECK」初となるシングル「BLACK JACK」を1000枚限定で発表、完売しています。現在「BLACK JACK」は3万円程で取引されているとか…
2012年ANARCHYの名と共に全国区になった「RAFF NECK」は初の全国流通アルバム「RAFF TREATMENT」を発表。オリコン51位に入っています。
デビュー
2003年に自主制作でEP「Ghetto Day’z」を発表。
2000枚限定で制作されたシングルは瞬く間に売り切れ、京都府以外でも高い評価を得ます。
2005年に「Ghetto King」で正式デビューし、23歳頃から音楽レーベルに所属。
CDの制作やイベントの開催をし、ようやくラップで生計を立てられるようになったそう。
2006年クラシック「Growth」を発表。ANARCHYの代表曲となりました。
同年ファーストアルバム「TOB THE WORLD」が年間ベストアルバムに選ばれています。
そして筆者が個人的に1番好きなセカンドアルバム「Dream and Drama」が2008年に発表されました。たくさんの雑誌の表紙を飾り、各紙の年間ヒップホップアルバム1位を獲得。
クラシック「Fate」はSpace Shower TV MVA 2009 “BEST HIP HOP VIDEO OF THE YEAR” 受賞しました。
自伝「痛みの作文」出版
ANARCHY初の自伝となる「痛みの作文」は2008年に発表されています。
全270ページのこの本はANARCHYを知る上で欠かせない一冊となっています。
ZORNとの「ZORN / No Pain No Gain feat. ANARCHY」では以下のラインをZORNがラップしています。
これが俺の痛みの作文
今じゃ家にしまじろうが来る
こんなクソッタレな環境やけど、一生上向いて、全員かましたる―両親の離婚、バスケとケンカに明け暮れた日々、ヒップホップとの出会い、決意の暴走族参加、少年院での一年間、かけがえのない仲間と家族…。京都・向島団地の過酷な環境で育ったケンタ少年はラップを武器に奇跡を起こした。日本語ラップのカリスマが綴る魂震わすリアル・ストーリー。
ONEPERCENT設立
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2018年にANARCHYが立ち上げたレーベル「ONEPERCENT」。
所属しているアーティストは全て公開されていませんが、変態紳士クラブの「WILYWKNKA」や「Leon Fnourakis」など若手ラッパーが所属しています。
ANARCHY自身も若手時代にRYUZOにお世話になっている事から、もしかしたら気に入った若手ラッパーを育てていく目的もあるのかもしれません。
ANARCHYの盟友
ANARCHYの盟友と言えば般若やMACCHOなどがパッと浮かびますが、実はこの2人意外にもRYUZOやTOKONA、餓鬼レンジャーのYOSHI、MC漢も盟友です。
RYUZO
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ANARCHYが属するレーベル”R-RATED”のボスでありラッパー。
R-RATEDは、RYUZOを筆頭とし、LA BONOとANARCHYとKeeraにより作られたレーベルです。
もともとは、中学生くらいだったANARCHYがRYUZOのライブに訪れていたところから始まったそう。
当時からとても可愛がっていたANARCHYが少年院から出てきてフラフラしていたところを、レーベル立ち上げに誘ったとのことです。
ANARCHYの才能を見出した彼のプロデュース力も素晴らしいですね!
TOKONA-X
名古屋HIPHOP界のレジェンドと名高いTOKONA-X。
過去には「絶対RYUZO君がANARCHY(のプロデュース)やらな」と発言しており、三者の信頼関係が見えてきますね。
さらに、日本最大規模のHIPHOP+R&Bビーチ野外フェス『NAMIMONOGATARI 2017』に出演したANARCHY。
その際、TOKONA-Xの娘と並ぶ写真をInstagramに公開し、話題を呼びました!
YOSHI
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餓鬼レンジャーのYOSHIは、ANARCHY自身の楽曲に登場しています。
その頃【餓鬼レン】の【YOSHI】に会った15のガキにRap教えてくれた
引用 : “LOYALTY”(ANARCHY)
スタイルや世代も違う2人なだけに、意外な繋がりですね!
そして2015年にリリースされた餓鬼レンジャーのアルバムには、”MAD BOMBER feat. ANARCHY”という形でANARCHYが参加しています。
MC漢
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2人が出会うきっかけとなったのは、「漢が京都をディスった」という噂が広まったことでした。
しかし、話し合いからそれが誤解であると判明。何度か遊ぶうちに、お互いをマイメンと呼び合う仲になったそうです!
MC漢の著書”ヒップホップ・ドリーム”では、ANARCHYについて以下のように語っています。
ヒップホップをやっていてそんなクソかっこよくて、生意気な若いヤツに会ったのはANARCHYが初めてだった。
引用 : “ヒップホップ・ドリーム”(漢a.k.a GAMI 著)
ビーフ寸前と思われたにもかかわらず、しっかりと向き合った互いへのリスペクトはかなり強いものと言えそうですね!
ANARCHYの映画
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ANARCHYが初監督を務める映画「WALKING MAN」が2019年10月に公開されました。
野村周平が演じる主人公「アトム」が、最底辺の生活から抜け出すために奮闘していく物語です。
RAPとの出会いがメインになっており、ANARCHYの半実話ともいえる作品になっています。
出演者には「サイプレス上野」や「T-Pablow」、「WILYWNKA」、「Leon Fanourakis」などシーンを引っ張るラッパーが出演しています。
主人公は、極貧の母子家庭で育ち、幼い頃から吃音症でコミュ障、さらに事故で重症の母親を抱え、思春期の妹を放っておけない気弱で心優しき不用品回収業のアルバイトで生計を立てる青年だ。
そんな青年が、RAP音楽と出会い、最底辺の生活から抜け出すべくバカにされながらも、奮闘し成長を遂げていく鮮烈な青春物語だ。監督自身の実体験なども盛り込まれた本作は、半実話ともいえる作品となっている。
引用:映画ログプラス
まとめ
暴走族総長、決闘罪での逮捕と常軌を逸した経歴を持つANARCHY。業界からの評価や信頼も高く、今やヒップホップ界を牽引する存在とも言えます。
なるべくしてなった、レペゼン京都の”The KING”。そんな彼にしか生み出せない作品が、今後もこの世界に多大な影響を与え続けることでしょう!