十影のプロフィール
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MCネーム | 十影 |
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本名 | エンドウ コウヘイ |
生年月日 | 1983年8月19日 |
出身 | 東京都 |
SNS | Twitter / Instagram |
強烈なビジュアルと硬軟自在なラップスキルを武器に東京のヒップホップカルチャーを体現するラッパー・十影。
K DUB SHINEや般若と言ったレジェンドから輪入道、呂布カルマと言ったバトルMCまで幅広く親しまれ、一時期はバラエティ番組への出演なども多かった東京ローカルシーンの代表的存在です。
かつては東京アンダーグラウンドを体現するクルー『LUCK END』のリーダーとして、そして近年もMCバトルの出演からサイドビジネスやシングルファザーとしての生活にスポットライトを当てた番組など常に話題を振り撒き、シーンで一番愛されている存在と言っても過言ではない十影について、今回はDIGっていきます。
名前の由来・読み方
十影と書いて(とかげ)と読みます。
名前の由来は幼稚園でボランティアの体育教師をしていた際、本名の「遠藤」では面白くないと言う事から生徒に名前を募集した所「トカゲ!」と言った生徒の案を採用し、そこに当て字をして現在のMCネームとして定着したと語っています。
ちなみに、それ以前は『ハレンチ』と言う名前で活動していた模様ですが、その名前でこれからやっていくことに対し葛藤があったため、自身の中に色んなキャラクターを内包していると言う意味を込めて十影と言う当て字にして、今に至るとのことです。
また過去には愛称として舐め達磨親方と名乗ってナンパをしていたこともあるとHIPHOP情報サイトAmebreakのインタビューで語っていましたが、なめだるま親方と言う愛称で知られるAV男優もしくはアダルト系ライターが由来と語り、これは現在話題沸騰中の舐達麻と同じ所からサンプリングしています。
生い立ち
『ラッパー、家を買う』と言う曲が近年お笑い芸人のとろサーモン・久保田かずのぶによってカバーされたことで有名な十影。
かつてBlack Fileのコーナー『オタク IN THA HOOD』でマイホームを紹介した際にも荒川の近くに実家があったと語っています。
また、現在シングルファーザーという側面も取り上げられていますが、自身も片親の家庭で育ったと語っている事から、幼少期から苦労をしている模様です。
結婚、そして離婚
現在、シングルファーザーとして自身の経営するバナナジュース店『トカバナナ』での業務に奔走している十影。
その空き時間で音楽活動を行なっている姿がYouTubeチャンネル『背景HIPHOP』の動画で話題沸騰中です。
かつて、インスタグラムなどでパートナーの方と仲睦まじい写真なども掲載されており、一度の離婚歴がある事は本人がニートtokyoで言及していますが、過去に再婚を報告する投稿もありました。
愛犬のアカウントでもその姿が確認できるため、どうやら2回の離婚歴がある模様です。
家族
シングルファーザーになった十影、先述の動画でもご子息と一緒に生活する傍らで飲食業とラッパーと言う二足の草鞋で働いています。
プライベートに配慮して本記事では息子さんのお名前は掲載を控えますが、楽曲『シングルファザー』を発表し、FRNKENと『保育園神』をリリースするなど、生活をリアルに投影した等身大のHIPHOPを貫いている十影にとって仲間と同じく家族の存在は重要です。
ファッション
十影はTHE NORTH FACEなど定番のオーバーサイズからUKスタイルで流行りのバラクラバまで柔軟にファッションへ取り込み、体格も立派であることから非常にお洒落です。
また、過去にThe Notorious B.I.Gを筆頭にHIPHOPファッションの代名詞アイテム『COOGI』についての曲をJNKMNらと発表しています。
そして人間関係を大事にする十影、現在は親交のある『XXX LDK』を主に着用している模様です。
トカバナナ
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現在十影が経営している『トカバナナ』、十影オリジナルのバナナジュース屋さんです。
砂糖不使用で濃厚な甘味がウリであり、多くのラッパーも大絶賛しています!
一日店長としてD.Oから#KTちゃんまで個性豊かなラッパーが一日店長として協力するなど、東京HIPHOP名所巡りをするなら1度は訪ねてみたいお店です。
現在、追突事故によりキッチンカーを廃車するという悲劇に襲われ大変な状況の十影ですが、呂布カルマからPGPの4PRIDEまで、こちらも様々なカテゴリのラッパーから応援され、本人も2024年元日に発生した能登半島地震へ売上を寄付するなど男気を見せています。
『口喧嘩祭』など、十影が出演するイベントでもとかバナナを販売しているので、機会のあるヘッズの皆様は是非ご堪能ください!
十影の過去・経歴
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HIPHOPとの出会い
十影が様々なインタビューで語っているエピソードとして、近所に住んでいたギャルの『むっちゃん』によって手渡されたOZROSAURUSに多大な影響を受けたと語っています。
十影と言えば様々なラッパーのビートをジャックした『地獄の月曜日』も有名ですが、OZROの『VIRI VIRI』に乗せて極限の便意をラップした『GIRI GIRI』を作成しており、ここでOZROとの絡みが語られています。
基本的にサンプリングしたラッパーからきちんと許可を取っている十影ですが、この曲をDJ SN-Z伝手にMACCHOへ許可を取った際、SN-Zは
「マッチョ君に聴かせられないよ…」
と困惑しましたが、MACCHOはこの曲を聴いて十影に
「ちゃんとマスタリングしたらOK」
と意外なほどスムーズに許可が降りた模様です。
ラップスタイル
TVで嵐の二宮和也相手にラップを披露し、ギャグ感の強いトピックをラップすることが多い十影ですが、特徴的なフロウだけではなく非常に韻も堅いことが知られています。
そのスキルはZONE THE DARKNESS時代のZORNと輪入道の3人で『IN GA KATTAI』という曲を出し、ラップ巧者に囲まれながら見劣りしないほどです。
近年はMCバトルに登場することも多く、トラックも選ばずラップできるそのスタイルはラッパーとしての基礎体力が非常に高いことが伺えます。
所属しているレーベルやチーム
十影が所属しているクルーはLUCK ENDです。
原宿の服屋でバイトしていた若者が集まって結成されたLUCK ENDは、マイクジャックなども辞さない、東京ストリートの一角を担うハードコアなクルーとして有名でした。
その後十影の親友でもあったBIG-Tの死去、壽らクルーの逮捕や離脱が相次ぎ、現在ではクルーとして機能していませんが、出所した壽やDJであるSOYが十影のバックDJを務めるなど、現在もLUCK ENDの名前を絶やさず活動しているメンバーもいます。
KNZZが所属していたICE DYNASTYのRAW-TやG.O、YELLOW DIAMOND所属である世田谷のストリートで活動を続けるZEUS、池袋のRAIZENなど東京ローカルを代表するラッパーとも十影は共演しており、東京ヒップホップの歴史を彩る存在です。
事件・逮捕
壽らLUCK ENDのメンバーが逮捕された中で、十影は主だった逮捕歴はありません。
かつてLUCK ENDが硬派な活動を続ける中で不良に十影が拉致されたことがあり、数時間に渡り暴行を加えられたもののクルーが助けに来てくれたと言う逸話があります。
その後、殴られて口の中がズタズタの十影を見たメンバーが築地でマグロを買ってパーティしよう!と提案し、そのまま騒いだ逸話も語られています。
仲のいい人物
非常に交友関係の広い十影、ストリートからバトルMCまで幅広い交友関係があり、レジェンドだけでもK DUB SHINE、D.O、漢、ANARCHY、ZORN、般若と枚挙にいとまがありません。
今回は特に近年交流があるラッパーを中心に紹介していきます。
壽
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LUCK ENDの生き残りである壽は、大麻所持で逮捕からの出所後も『蓮の花』をリリースするなどしており、PVは十影のYouTubeチャンネルにアップロードされています。
元々壽の実家に遊びに行くほど中が良かった十影、壽のドキュメンタリーも『背景HIPHOP
』で見ることが出来ますが、面会で壽に対して激怒したと語るなど非常に親密です。
FRANKEN
「マジでそうさ」で有名なFRANKEN、同い年ということもあり十影とは近年楽曲を作ることが多い存在です。
2人で共作した『保育園神』は、今一番日本でコンシャスなラップソングかもしれません。
ちなみに、FRANKENは昔LUCK ENDクルーにはいじめられていたものの、愛があったと語っています。
晋平太
現在休業中の晋平太も十影とは仲が良く、FRANKENと3人で東京下町出身の同い年として交流があります。
晋平太のチャンネルでもMCバトル復帰を目論む十影に稽古をつけ、FRANKENと3人でさらに同い年のG.Oが経営するCASTLE RECORDSのバーへ飲みに行くなどしており、晋平太の休業にも十影がエールをXで送るなど、同い年の絆は強固です。
輪入道
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最恐の妖怪こと輪入道も池袋BEDで青春時代を過ごしたことから十影とも深い交流がある模様で、十影の結婚式に参加した様子が輪入道のインスタで確認できます。
また、輪入道の自伝出版記念にYouTubeライブを行う他、十影は輪入道の代表曲『俺はやる』をリミックスしており、信頼関係が強い模様です。
他にもAmateras、崇勲、MAKA、NAIKA MCらバトルが主戦場のMCからGAYA-K、BOO a.k.a フルスイングと言ったハードコアなMCまで、非常に幅広い交流も明るく男気溢れる十影の人柄を表しています。
オススメの音源
シリアス、コミカル、スキルフル、どの表情も高いクオリティの十影、彼の幅広いテイストを味わえる曲を紹介します。
一網打尽 -1983 TOKYO REMIX- feat. Y’S,十影,YOUNG HASTLE & RAW-T
韻踏合組合の大人気曲『一網打尽』を東京ストリートの面々でカバーした一曲です。
十影の同級生はY‘S、RAW-T、YOUNG HASTLEと濃ゆいメンツが揃っていますが、HIDADDYのバースを担当した十影はコミカルながらも本家に負けない韻の硬さを発揮しています。
各面子、特にヤンハスのキャラが出まくったリリックだけでも非常に聞き応えがあります。
PVは各メンバーのクルーや輪入道ら関係者が映っており、Y‘Sのバースでは東京を代表するハードコアバンドNUMBのSENTAが登場するなど東京のストリートが凝縮した内容で見応え抜群です。
アシダマナダヨ
ふざけ切ったタイトルとPVながらシリアスなトラックとユーモアを交えながら力強いリリックが魅力の十影らしさが存分に発揮された曲です。
こちらも韻が非常に堅く、十影のキャラとスキルがトップクラスで堪能できる一曲となっています。
体一つで feat. RAW-T & ZEUS
ICE DYNASTYのRAW-T、YELLOW DIAMONDのZEUS、そしてLUCK ENDの十影と東京アンダーグラウンドで活動し続けているタフな3人によるこの曲にはどこか哀愁と優しさがあります。
トラックの切ないメロディとそれぞれのクルーを引き連れた屈強なラッパー達のどこか優しさがあるリリックが非常にグッと来ます。
まとめ
コミカルながら誰よりも苦労と共に人生の全てを曝け出したHIPHOPを続ける十影、そのユーモアセンスを支えるタフな格好良さがシーンから愛されるのも非常に頷けます。
これからもラップを続けながら、息子さんと一緒に幸せを掴んでほしい魅力溢れる人物です。