MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻は、ラップバトル界での若手〜中堅クラスのラッパー。
第3回高校生RAP選手権が初舞台ながらも、会場を完全にロック。
瞬く間にラップバトル界でスターになりました。
そんなMC☆ニガリのプロフィールや彼女の有無、ベストバウトなどを紹介します。
MC☆ニガリのプロフィール
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MCネーム | MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻 |
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読み方 | エムシーニガリエーケーエーアカイイナズマ |
本名 | 羽柴教生(はしばかずき) |
学歴 | 長野県立高遠高校卒業 |
部活 | 野球部 |
SNS | Twitter / Instagram |
MC☆ニガリの過去・経歴
hip-hopとの出会い
友人と行ったカラオケでRAPの存在を知ります。
ネットでたまたま般若を聴いたことがhip-hopとの出会い。
それまでは流行りの曲、父親が持っていたCDの長渕剛やCHAGE&ASKAを聴いていたようです。
hip-hopを始めたきっかけ
「ぶっちゃけ暇だったから」(ニート東京より)
主なバトルの戦歴
2013年 | 第3回高校生RAP選手権でデビュー(以降第7回まで5回連続出場) |
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2014年 | 第6回高校生RAP選手権優勝 同年、UMB2014東京予選優勝 |
2015年 | 第7回高校生RAP選手権優勝(史上初2連覇達成) 同年、UMB2015長野予選優勝 同年、King Of Kings出場(当時最年少) |
2016年 | UMB2016長野予選優勝 |
2017年 | UMB2017長野予選優勝 |
2018年 | UMB2018東京予選優勝 同年、フリースタイルダンジョン制覇(史上3人目) |
2019年 | UMB2019 revenge代表 |
2020年 | UMB2020長野予選優勝 |
2021年 | UMB2021茨城予選優勝 同年、SPOTLIGHT2021優勝 |
デビュー曲
『こんばんは』
事件・逮捕
「今までにした、一番悪いことは?」というインタビューに対して、「高校卒業したときに運転免許を取らなかったこと」と答えています。
事件や逮捕は確認できません。
ラップスタイル
その場でアンサーを返すのが得意。
劣勢と思われてもカウンター一発で会場の雰囲気をひっくり返します。
晋平太曰く、「ネタなし、本当のフリースタイラー」
所属しているレーベルやチーム
Libra Records所属。
チーム「ニガマムシ」として、じょう、Rude-αと共にフリースタイルダンジョンへ参戦。(ラスボス般若戦まで到達、般若とはじょうが対戦し、敗戦)
最近の活動
2021年現在もバトルイベントに積極的に参加。
UMB2021茨城予選優勝や、SPOTLIGHT2021優勝など、更にスキルと力を身につけている印象を受けます。
音源では『5Z』を2021年7月に発表。
(客演にJAYPAY、じょう、裂固、SKRYU)
仲のいい人物
晋平太
UMB2014東京予選を2日後に控えた日、晋平太から「ニガリ、明後日、暇?交通費出すから東京来てUMBの東京予選出なよ」と連絡を受け、当日、優勝をかっさらいます。
また、GOMESSとのワンルームの生活に困窮していたニガリに対して、ナマステハウスを紹介したのも晋平太です。
GOMESS
第3回高校生RAP選手権1回戦で対戦後、親交を深めました。
卒業後に東京に来るよう誘ったのもGOMESS。
その後、不仲説が噂されますが、2020年に真ADRENALINEにてバトルで共演。
バトル終了後にはハグ、タッチ、しっかりと握手。
GOMESS勝利後、「ハンパじゃないな。流石GOMESSさん」と第3回高校生RAP選手権で使ったワードをセルフサンプリング(自分で自分の歌詞を使い回し)しました。
じょう
第6回高校生RAP選手権で共演。
第6回では対戦はなかったものの、第10回高校生RAP選手権でじょうが優勝した際にニガリが祝ってくれたそうです。
その後、フリースタイルダンジョン東西対決や戦極U-22で対戦。
バトル中に金の貸し借りの話題を出すなど、舞台上だけの関係ではないことがわかります。
また、たびたびYouTubeで共演をしていて仲の良さがうかがえます。
MC☆ニガリのベストバウト5選
〜第3回高校生RAP選手権(対GOMESS)〜
ニガリ、初の表舞台。
対戦相手は前回大会準優勝者GOMESS。
緊張のなか、全身真っ赤な衣装を身にまとった少年が伝説を残します。
「赤い稲妻赤コーナー、から一発RAPかまそうか」
高校生RAP選手権は長く続きますが、このラインは後の高校生達から数多くサンプリングされます。
また、GOMESSの
「コイツの抽象的なmotherなんとかは聞き飽きた」
というラインはRAPバトル界全体に向けて放たれており、とても重いラインだと思います。
(直前にニガリは「mother f○cker」というバトルのテンプレートを使っています)
それを受け、ニガリ渾身のパンチライン。
「流石GOMESSさん、ハンパじゃないな、でも優勝すんのあんたじゃないわ」
相手を上げた後に落とす振り幅と7音の韻を落とすという高等テクニック。
初出場、RAP歴3ヶ月、おじいちゃんっ子で田舎っ子、素朴な見た目、相手は前回大会準優勝者…明らかに劣勢に見えるなか、会場の期待を良い意味で裏切りました。
結果はニガリの勝利。
このバトルがニガリ伝説の始まりと言って良いでしょう。
〜UMB2014東京予選(対NAIKA MC)〜
ニガリ初のUMB参戦。当時高校生。
猛者揃いの激戦区東京予選。そして、1回戦に遅刻。
遅れて来ておいてバッタバッタと実力派MCを倒し、決勝へ。
先攻NAIKA MC。
「俺はUMB最後の門番。お前を行かす訳にゃいかねーなー」
「生で見せてやるぜ。大人は怖ぇぞー」
これを受けて、後攻ニガリ。
「大人は怖ぇ、大人は怖ぇ、たしかにそれ間違いねぇ、でも恐れを知らねぇガキが一番怖ぇ。お前にそいつを教えてやるぜ」
「何、大人が怖ぇ、大人が怖ぇ、つか言葉が弱ぇ。お子様だと思ってナメてっと後で怪我するぜ。先攻とっちゃって墓穴掘った、だったら俺が頂いてまうわ」
NAIKA MC
「言葉弱ぇ?じゃここまで来てねぇよ。負けるかもしれねぇ、俺だって背水の陣だ。てめぇに未来がある、俺にも未来がある。切り開くぜfor the futureそれがNAIKA」
ニガリ
「負けるかもしれねぇ、それは皆一緒。俺だってリスク背負ってここに立ってんだクソ野郎。NAIKA MC間違いねぇこともわかってるよ、だけど俺は街をレペゼンしてる、ここで東京を獲らなきゃ男が廃れるぜ」
終了後すぐ、DJすらも拍手してしまう、予選決勝に相応しいベストバウト。
ニガリの勝利が決定すると、NAIKA MCはニガリの右手を持って高く突き上げ賞賛。
当時高校生のMC☆ニガリが激戦区東京を獲る、伝説のバトルです。
〜UMB2016本選(対NAIKA MC)〜
UMBで二人が戦うのはUMB2014東京予選ぶり。
NAIKA MCにとってはリベンジの機会。
群馬と長野、それぞれの地元を背負っての対決となります。
始まる前からニガリを睨み続けるNAIKAが先攻。
「久しぶりだなニガリ、誰がDJかけてどこで何やってたか思い出すよな。立派になったな腹も身体も。ほっせー高校生だったかよ、ナメてかかっちまって負けちまったなぁ。長野県背負って、俺は群馬背負ってるぞ」
2014東京予選で負けたことを自ら言葉にし、ほぼ語り口調のフロー。
対して、後攻、ニガリ。
「それでまた1バース終わったのか?早くRAPを始めてくれよ。ただ喋ってるだけでビート乗りこなせない、ここでオヤジ狩りが始まりだ。セロリがかけて、俺が勝つ。これが前と同じことだ、わかったか?」
語り口調のNAIKAに対し、痛烈なdisを一言目に。
『蜂と蝶』のビートに乗せ、心地良いフローでdisすることで会場はぶち上がります。
「変に小細工を覚えたせいで『バトルはスキルだろ』みたいな…。逆に言うと、勝ちに行けるところがそこしかなかった」とニガリは後に語っています。
ニガリのdisに対し、NAIKA
「いいか覚えとけ、RAPってのはおしゃべりの延長だよ。俺は俺のスタンスを崩す訳にはいかねぇ。俺に対してもっと他に言うことあんじゃねぇのかよ?」
ここでもやはりビートに乗る、というよりもしゃべりと怒鳴りのフロー。
このNAIKAのアンサーに対し、ニガリは同じ内容を繰り返すミス。
『蜂と蝶』のサンプリングをするのがやっと、といった感じです。
NAIKAは聞き逃さず
「『ブンブンバッ』とか糞ベタだろうが、蜂でも蝶でもねぇよお前は。丸っこいフクロウだよお前はよ」
とサンプリングも見た目もdis。
ニガリも長野の先輩、YOU THE ROCK☆のサンプリングをするも会場は上がらず。
(丸っこいフクロウというdisを「俺真っ赤な目をしたフクロウ」でアンサーしたのは個人的にとても上手いと思います。)
NAIKA、最後のバース。
「おめぇのオジキとおめぇごとどかして群馬が勝ってやるよ。YOU THE ROCK☆は最高、ニガリも最高、その上を超えるNAIKA MCが最強」
ニガリも最後までビートに乗ってフローしますが、判定の末、敗戦。
NAIKA MCがリベンジを果たしました。
このバトルの良さは、ニガリのビートに乗るフローの心地良さ。
しゃべり口調のNAIKAとの相対的な立ち位置も素晴らしいです。
〜ADDVANCE STARTOURS(対韻マン)〜
「二人とも踏みすぎ!踏みすぎ踏みすぎ!」というバトル。
韻マンといえば、その名の通り韻に特化したラッパー。
若手の中で韻のスタイルを確立している有望株。
母音が多少ズレても、語感とイントネーションで踏み続けます。
派手な見た目も相まって、若年層から圧倒的な支持を獲得中。
そのような若手のホープ(ニガリも十分若いですが)に対し、韻で真っ向勝負するニガリのバトルは見ものです。
先攻、韻マン。
「押韻なんてもんはなし、いつものさ調子、drinks on me俺の奢り、交通事故防止オビワンケノービ、独立行政法人、宴にah ah」
本当に適当な押韻を受けて、後攻ニガリ。
「相変わらず韻満載、韻マンさん言葉の爆弾たくさん拡散してくれるんじゃないの。なにも隠さん俺はこのステージ、スケさんカクさん一切必要ない、俺は一人ぼっち締めてる肛門。水戸黄門よりお前のことをこのビート上翻弄。わかってるんだろ韻マン、お前のやり方乗ってやるぜ。淫乱なるビッチじゃないけどイキがらないぜ、また粋なバース続けていく、一気呵成に攻め込んで、一気に飲み干してく、このステージ奇跡的領域フリーキーフローならどっちも俺なら負けないだろう」
ニガリは意味を通しつつも、頭韻(単語の頭文字の子音を合わせる)や脚韻(単語の母音を合わせる)を織り交ぜ、意味不明なほど踏み続けます。
ニガリに触発されて、韻マンもエンジン始動。
「淫乱からまた淫乱好き、暇潰しにこの場所いざ出陣。韻マン流儀、人脈作り、クン○の最中に金玉潰しhaha。芸術残すサルバドールダリ、お前の伝説も遥か大昔」
このバトルで初めてディスられ、ニガリ。
「別に全盛期とか昔の話だ、メッセージ?けんけんパで現場からまたテンパってる訳ではないな天パ、illなアンテナ張ってる奴ら分かるはずだ、あってないような安定感だぜ、全盛期は今今今今今韻マン、分かってないのが忌々しいな、俺ニガリだ理解しな」
「俺も昔はそんな感じだった、ケツばっかり追いかけちゃってさ、でも楽しいのもわかるし俺こいつ程踏めないから、ぶっちゃけ韻マン羨ましい。けどRAPでいったら俺の方が上手らしい」
押韻対決にしっかり終止符を打ったニガリ。
バトル終了後すぐに韻マンが「強い強い強い…強ーい!」と叫ぶほどの実力。
踏みまくった韻マンの善戦むなしく、ジャッジの歓声は完封、ニガリの勝利でした。
〜第10回高校生RAP選手権(対Rude-α)〜
disだけがバトルではないことがわかる名バトル。
とてもピースフルなバトルです。
相手は同い年のRude-α。
二人は第6回の決勝で当たっていて、そのときはニガリの勝利。
Rude-αにとってはリベンジの機会。
紹介VTRでは、上京したRude-αが風邪をひいたときの孤独感が映し出されていました。
それを受けて、ニガリ先攻。
「お前がもし、風邪で倒れたりしたらいつでも俺のこと頼ればいいぜ」
バッチバチなdisを得意とするニガリが放った温かい言葉に、会場も上がります。
対してRude-α。
「俺もお前のこと、何か言われてもずっと、愛してる、愛してるよ、何を言っても変わらないけど、俺は超えてく準優勝を。覚えとけレペゼン琉球王朝」
字面を追ってるだけでも泣けます。
そして延長へ。
Rude-α先攻。
「俺はお前と出会って何か変わったような気がしたんだよ、ニガリ、もっと笑え、未来はもう既に俺らの手の中」
対して、ニガリ。
「未来は既に手の中、そして最高な景色がこの目の中、映ってる。誰の爪の垢、煎じるよりもただ単にRAPするバカ」
「一代、一世一代のフリースタイル、1番ぶち上げてやんだよ俺らが。望むとこだぜもう1回。楽しんでいくぜ今日いっぱいok?」
…僅差の延長戦を制したのはニガリ。
延長終了後は感動のあまり、しばらく会場の拍手が鳴り止みませんでした。
まとめ
以上、MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻について紹介しました。
2013年に突如としてMCバトル界に現れ、今なお輝き続けるニガリ。
彼のパンチラインはたびたびサンプリングの対象になります。
あなたの好きなラッパーが放ったパンチラインが、”実はニガリのサンプリングだった”ということもあるかもしれません。
一度、ニガリのバトルをチェックしてみてはいかがでしょうか?
そこにはMCバトルでの主人公のような物語が広がっています。是非どうぞ!