日本語ラップ界隈には唯一無二のラッパーが多数人いますが、この鎮座DOPENESSもその一人です。
ラップの上手さはもちろんですが、少しクセのある声質とトリッキーなフロウは中毒性が高く、日本語ではなく英語で歌っていると錯覚してしまうようにも聴こえます。
数々のラッパーとユニットを組んでおり、お互いの良さを引き出すのも上手く、まさに変幻自在です。
独特の感性を持っており、日本語ラップ界の珍獣、宇宙人ラッパーなどとも呼ばれている鎮座DOPENESSさん。
そんな彼について今回は調べて来ました。
鎮座DOPENESのプロフィール
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MCネーム | 鎮座DOPENESS【ちんざどーぷねす】 |
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本名 | 矢野秀介 |
生年月日 | 1981年3月29日 |
出身地 | 東京都調布市 |
グループ |
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レーベル | UNIVERSAL MUSIC JAPAN |
SNS | Twitter / Instagram |
鎮座DOPENESSの名前の由来
MCネーム名の由来は本人談などはありませんでした。
あくまで予測ですが、
鎮座とは「神霊がそこにしずまりいること」の意味があり、DOPENESSは、『まぬけ』などの意味で使われます。
また、『病みつき』『イケてる』の意味もあるそうです。
DOPEは『麻薬』NESSは接続詞で『状態』の意味であることから様々な意味と取れる名前の様です。
鎮座DOPENESSの年齢
生年月日は1981年生まれで、2020年現在は39歳です。
同級生のラッパーに「SEEDA」「サイプレス上野」などがいます。
所属グループ
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グループに「環ROY」とのユニットKAKATOや「ZEN-LA-ROCK」「G.RINA」とのFNCYとして活動されてますね。
元々EMIミュージック・ジャパンのレーベルでしたが親会社に吸収合併され現在のレーベル名になったようです。
鎮座DOPENESSの経歴・過去
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HIP HOPを始めたキッカケ
鎮座DOPENESSは「スチャダラパー」の『今夜はブギー・バック』を聴き、HIPHOPに興味を持ちます。
その後中学生の時にNBAのビデオでHIPHOPミュージックが流れているのを聴いて本格的にラッパーを目指すようになったようです。
当時「ノトーリアス・B.I.G」「Wu-Tang Clan」などを良く聴いていたとインタビューで語っていました。
高校の文化祭で活動を開始し、同級生のラッパー「SABO」と餓鬼というグループを組んでいたそうですが後に解散、違うメンバーとアングラデラというグループで活動していたそうです。
当時はMCネームも「MADA」という名前でやっていたそうで髪型もロン毛を一本に縛ってギラギラしており、今では考えられないスタイルだったようです。
デビュー
「ケツメイシ」のファーストアルバム『ケツノポリス』収録の「CLUBへ~熱帯夜 mix~」に客演として参加します。
この頃から独特な声質は目立っていますね。
その後横浜を拠点に活動。
意外にも研究熱心で、DJと1対1でロック、テクノ、ジャズなどをかけてひたすらフリースタイルをしていた日々が続いたそうです。
本人いわく「言葉を選ぶより、自分のニュアンスで格好良くしていく方向性に気付いた」と語っています。
今の中毒性のあるフロウはここから磨いたのかも知れませんね。
ソロデビュー
2009年、1stアルバム『100%RAP』を発表。
『乾杯』など独特な世界観の楽曲で、日本語ラップ界に革命を与えました。
「EVISUBEATS」プロデュースの『MOGU MOGU』はSPACE SHOWER music video awardsのHIPHOP部門へ入選するなど業界からの評価も高いです。
2011年、東京モード学園CMで話題となった『MODE』を発表。
「やってんのか、やらされてんのか~?」のフレーズは耳に残りますね。
また、仙台出身のラッパー「環ROY」とユニットKAKATOを結成。
違う声質ながらゆるいラップが武器の2人が組んだことで良い相乗効果を生み出しています。
2013年、ミニアルバム『T.U.B.E.』を発表。
同名のリード曲であるこの曲は夏祭りの時に聞こえてくるようなイントロから彼のラップが癖になる、夏になると聴きたくなる一曲ですね。
2014年にはアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の作詞家としても活躍し、話題を呼びました。
アイドルの作詞をラッパーが手掛けるというのはなかなかの快挙ですよね。
その後、客演やCM出演などでしか活動されてませんでしたが、2018年過去にグループを組んでいた「SABO」と楽曲『チルミーチル feat SABO 』を発表。
同年、「ZEN-LA-ROCK」「G.RINA」と共にFNCYを結成します。
数々の楽曲は日本語ラップのヘッズならもちろんの事、普段ラップを聴かない層からも支持されており、ヘイトは全く聞きません。
まさにみんなに愛されるラッパー、それが鎮座DOPENESSであると思います。
麻薬取締法での逮捕
2019年の11月3日に麻薬取締法違反で逮捕された鎮座DOPENESS。
同月の29日に世間に公表されTwitterでトレンド入りしました。
一部ファンからは「失望した」「信じていたのに」というありがちな声が上がっていました。
鎮座DOPENESSの現在の活動
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前述の通り、現在FNCYとして活躍中の鎮座DOPENESSさんですが、2019年11月に、東京都内のイベントで大麻所持の現行犯で逮捕されてしまいます。
現在釈放となったようですが、itunesでの鎮座DOPENESS名義の楽曲は全部削除されてしまいました。
元々決まっていたイベントなどにも参加出来なかったそうですが、今後はこの経験から違った毛色の楽曲なども発表してくれるかも知れませんね。
最近ですと、女性ラッパー「Awich」の2ndアルバム内の楽曲『洗脳 feat DOGMA 鎮座DOPENESS』で客演していますね。
この楽曲ではいつものゆるい感じのリリックではなく戦争や核などについてラップしています。
客演に呼ばれる事の多い彼ですが「森山直太朗」「YUKI」など日本を代表する歌手とも客演を果たしています。
しかし、決して楽曲を自分色に染めるのではなく共存し、聴き心地の良い物にしてしまうという素晴らしいラッパーです。
FNCYとしての活動はもちろん、客演や個人名義での楽曲もこれから楽しみですね。
MCバトルでの戦績
鎮座DOPENESSといえば、MCバトルでも数々の戦績を挙げています。
バトルスタイルは韻にこだわらず、独特のフロウで気持ち良くビートに乗せるフロウ巧者。
彼のバトルは相手に勝つラップというよりも自分やお客が気持ちよくなるラップという気がします。
バトルシーンの立役者「晋平太」は自身の楽曲『M.B.H』で鎮座の事を「見てるこっちをヒヤヒヤさせては、最後持ってきニヤニヤさせる」とラップしています。
UMB優勝まで
横浜で活動していた彼は2006年横浜予選でベスト4に残ります。
当時の横浜ではICE BAHNの「FORK」が活躍しており、当時の激戦区でしたが、ベスト4まで残るという事は当時から強かったことが分かります。
3年後の東京予選ではJUSWANNA「メシア the FLY」を下し見事東京代表になります。
本戦での一回戦の相手はB-Boy Park Mc battleで優勝したこともある山梨の「PONY」オーソドックスなラップながらもこちらもフロウ巧者。
メロディアスな「PONY」のラップに触発された鎮座DOPENESSは「ナーナーナーナナー」とまさかのメロディだけのラップを披露。
前代未聞なラップですが会場の空気を持っていく気持ち良さです。
結果は延長になり続く2本目の最終バースで「皆が集まれ ワッハッハー」と着地。
見事、勝利となりました。
このバトルは名勝負として語られています。
勢いに乗った鎮座は決勝まで進み横浜代表の「NONKEY」に勝利し、日本一の称号を手にします。
このUMB2009年の衝撃は大きく、今でも最強のMCバトラーは?の質問に鎮座DOPENESSを挙げる人も多いです。
黄猿とのバトル
もう1試合、鎮座の凄さを物語る試合が「戦極MCバトル第6章」の「黄猿」とのバトルです。
これまたフロウ巧者同士の対戦となりましたが、鎮座の全バースはかなりの高次元です。
この動画は500万回以上再生されており、MCバトル好きなら一度見てみる事をオススメします。
近年のMCバトル参加
現在、MCバトルにはあまり姿を見せませんが、フリースタイルダンジョンでモンスターを務める「呂布カルマ」や前述の「晋平太」と対戦したこともあります。
他にも人気番組フリースタイルダンジョンへの出場オファーを断ったと話しています。
「ZEEBRAがモンスターになったら出る」と言っていたそうですが、オーガナイザーのZEEBRAがバトルに出る事はないので、可能性はなさそうです。
現在ラスボスを務める「R-指定」との対戦を望まれる声が多いですが、2019年のADRENALINE MC BATTLEでは主催者のラッパー「ACE」が実現に向けて動くと言っていたので近いうちに実現するかもしれませんね。
まとめ
宇宙人ラッパーなどの呼び名で呼ばれている鎮座DOPENESSさんですが、その実態は天才的な表現者ラッパーだということが分かりました。
アンダーグラウンド、オーバーグラウンドそのどちらともに違う全くあらたな日本語ラップの枠組みとも言えます。
一度聴いたら鎮座ワールドにハマってしまう、まさに唯一無二のラッパーだと思います。
逮捕で多少、活動が停滞してしまいましたが、今後も素晴らしい作品をつくってくれる事でしょう。