岡山県津山市が生んだ演歌とラップを融合させた独特のフロウと持ち前のキャラでファンを魅了し続けるラッパー紅桜。
強烈なキャラクターで印象を残し、その生き方はデビュー当時から今まで変わる事はありません。
生粋のラッパーでありながら、ヒップホップの概念にとらわれない自由な楽曲と圧倒的なライブパフォーマンスは、見る者の心をつかんで離さず、音源づくりだけでなくMCバトルなどにも若いうちから積極的に参加しています。
その姿は時折MCバトル中に相手にボディパンチを入れるなど、恐怖を感じさせる瞬間もありますがMVだけでは伝わらない紅桜の魅力に惹きこまれることになります。
紅桜のプロフィール
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MCネーム | 紅桜 |
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本名 | 塚屋ゆうき |
生年月日 | 1987年11月17日 |
出身 | 岡山県津山市榎地区 |
SNS |
名前の由来
紅桜の本名は「塚屋ゆうき」といいます。
ラッパーとして活動し始めた時から紅桜と名乗っているのではなく、当初は「ユウキ」と名乗っていました。
紅桜が音楽にのめり込んでいこうとしていた矢先に友人が事故により亡くなってしまい、悲しみにくれていた時に気分転換で開いたマンガ「銀牙」に「紅桜」というキャラクターが存在しその生き方と死にざまが亡くなった友人と重なりそれから紅桜と名乗る様になりました。
結婚
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紅桜は結婚しています。2014年頃行われたインタビューの中で結婚して子供がいる様子を語っています。
妻と一男一女の計4人家族で生活を送っています。自身の家族構成としては両親と二人の兄がおり、家系で音楽活動を行っているのは紅桜一人です。
学歴
紅桜は高校を出ています。おそらく地元の高校を出たと推測されますが通っていた高校名は公には公開されていません。
ファッション
紅桜のファッションはラッパーの代名詞ともいえる「B-BOYファッション」をメインにしています。
他にも柄シャツなどを取り入れた日本テイストな着こなしを見せる事もあります。
タトゥー
紅桜は両腕に着物を着た日本女性の絵を入れています。
どのような思いが込められたものなのかは公の場に情報は残されておりません。
性格
紅桜はもともとかなり荒っぽい性格の持ち主でした。
ラップを始めた当初は「誰彼構わずへこませたろ」という思いを常に持っていて何かとすぐにケンカに持ち込み「強い人が一番かっこいい」と考えていました。
その考えの先には自身が40歳になった時に「いう事聞かないから殴った」とならなくてもすむように「10~20代の間に自分の周りの人間との主従関係を作っておこう」という狙いがあったようです。
しかし「結婚・出産」を経て価値観が変わり「優しく優雅な人が無敵」と思うようになり歳を重ねた今はそんな人間になれるように重点を置いて生活しています。
人とコミュニケーションを取るのが少し苦手なようです。音楽活動以外の所でアルバイトをしようとしていたようですが基本的に採用される事はなく結果的にラッパーとしての活動に絞る事が出来ています。
紅桜の過去・経歴
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HIP HOPとの出会い
紅桜のHIPHOPとの出会いは地元のクラブで生まれました。
地元の津山市はお世辞にも都会とは言えない所でしたが一軒だけクラブがありそこでライブなどが行われていました。
そのクラブで「FAT BOX CREW」のライブが行われるという話を聞き当時中学生だった紅桜は兄を誘いライブを身に行きます。
その時の光景がまさに紅桜をHIPHOPの世界へ呼び込む機会になりました。
ラップを始めたきっかけ
紅桜がラップを始めたきっかけは同じ津山出身のラッパーのYASの影響によるものでした。
YAS率いる「FAT BOX CREW」のライブを見てそのかっこよさに衝撃を受け、帰り道に当時携帯電話を持ち合わせていなかった為公衆電話を利用して「俺、ライブ見に行ったんだけど、やばすぎたからラップやろうで」と友達に声をかけてラップを始めました。
ラッパーとしての経歴
2008年からMCバトルに参戦開始。
初めて参加した時は10代でしたが持ち前の負けん気の強さで優勝候補のYOWTHに対し「おい、手加減したら許さんぞ」と吐き捨てたそうです。
結果は負けてしましたが強烈ですよね。
その次に参加したMCバトルでもL.M.DOGGに敗北。
そのままL.M.DOGGは優勝し、紅桜のラップが決して弱かったわけではない事がわかります。
デビュー曲
紅桜のデビュー曲は2013年6月にリリースしたシングル「Holare!!」の収録曲「What’s my name」です。
若干20歳とは思えない圧倒的な声量と存在感を示し、これまでの彼のエノックリンでの生活を含む人生が垣間見えるリリックは、まさに紅桜らしい「渋さ」と「すごみ」を感じる事ができます。
「ザグより危ねぇピュアなくらいな」というパンチライン通り、仲間にも音楽にもまっすぐな紅桜の人間性が伝わる楽曲となっています。
ちなみに1stアルバムの「紅桜」は自身をコンセプトに作っています。
ジャケットを白地に赤字で表現しているのは紅桜自身の資金力がまだ低いため、アルバム制作にYASやPRTY GUN PAULの援助を受けている事から「赤字の作品」という思いを込めたことから来ています。
事件・逮捕
12月28日開催のULTIMATE MC BATTLE 2019へ 出場を予定しておりました、岡山代表「紅桜」が、一身上の都合により欠場となりました。
代わりまして岡山予選準優勝の「BUCHI」が出場いたします。
楽しみにされておりましたお客様、並びに関係者の皆様にお詫び申し上げます。#UMB2019 pic.twitter.com/BcqosT3eN2— ULTIMATE MC BATTLE (@UMB_OFFICIAL) December 11, 2019
紅桜は逮捕された経歴は公表されていません。
しかし逮捕されたのでは?という疑惑はファンの間で常に広がっていました。
その裏付けはまず1つめにUMB2019岡山予選で優勝し本線への出場が決まっていたのですが、急遽本線の欠場がUMBのTwitterで発表されました。
その理由が「一身上の都合」という表現が使われており普段から大麻の吸引を認める発言をするなどいつ逮捕されてもおかしくない態度と行動を取っていた事がそのような噂が生まれる原因となってしまったようです。
ラップスタイル
紅桜のラップスタイルは「歌謡曲や演歌の歌い方を取り入れた変則的な表現」が特徴となっています。
このスタイルが生まれた由来は彼の地元との関係があります。
紅桜は「岡山県 津山市 榎地区」という地域で育っていますが、その「榎地区」は正確には地名としては存在しておらず車のナビに登録されていないほどの辺境の地です。
そのように認知されていない地域という事も手伝って治安が悪い部分が目立ち「無免許運転」「ドラッグ」「市営地の占有」といった悪事が見逃されていると噂されています。
「榎地区」出身のラッパーはみんな自分たちの地元の事を「エノックリン」と呼んでいます。(ヒップホップ発祥の地ブルックリンにちなんでそのように呼んでいます)
そんなエノックリンでラッパーとして活動を続けても東京などの第一線で活動をしているラッパーと比較すると情報の少なさより最先端のスタイルを取り入れる事は難しかった為、紅桜は両親が口ずさんでいた歌謡曲や演歌の歌い方を取り入れる事で自分独自のスタイルを確立し、現在もそれを武器にラッパーとして活動を続けています。
所属しているレーベルやチームなど
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紅桜が所属しているレーベルは「PARTY GUN PAUL」と「dj honda RECORDINGS」です。
またレゲエDeejayのJ-REXXXXと「タイマンチーズ」という名でデュエットを結成しています。
ヒップホップとレゲエと音楽のジャンルこそ違いますが同郷の仲間でもあり人間的にマッチしている事から難なく楽曲づくりをこなしています。
仲の良いアーティスト
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紅桜は東京を代表するレゲエDeejayのJ-REXXXと親交が深く「マブダチ」と表現しています。
活動拠点こそ違いますがJ-REXXXも紅桜と同じ岡山県津山市の出身で、紅桜が中学の頃からの知り合いです。
高校を同じ学校男卒業しており年齢は紅桜が1学年下ですがJ-REXXXが高校1年生の時に留年し同じクラスになった事で一気に仲良くなりました。
また、HIPHOPの世界に足を踏み入れるきっかけにもなった「YAS」とも深い親交があり、紅桜はYASの事を「兄貴ではなく父親のような存在。俺のことを自分の事のように喜んでくれるし、俺の娘を自分の娘のように抱いてくれる」と語っていました。
おすすめの音源
紅桜のおすすめの音源はまずは「悲しみの後」になります。
本人曰く「この歌はそう簡単に他人に作れる曲じゃない」と語っており、その背景には一番上のお兄さんが覚醒剤に手を出してしまい完全に依存してしまった状態に家族が泣いていました。
そんな時家族の思いを汲み取った紅桜は全てを背負ってお兄さんを殴りました。
そして紅桜自身も情緒不安定な状態に突入しクルマを走らせ窓をあけたまま「悲しみの後には幸せを/手をたたくほどの喝采を」とフレーズをアカペラで歌いその後一人ラブホテルで一晩を過ごした時にこの音源が出来上がりました。
そんな複雑で辛い経験を重ねた紅桜だからこそ書き上げる事ができたリリックになっている事が納得できますね。
他人の考え、行動について自分の力では変える事ができないもどかしさにイライラを募らせた気持ちが聴いている人たちに伝わってくるかのようです。
次におすすめの音源は「天下御免」です。
紅桜の音源の特徴である歌謡曲や演歌のような日本独特の音楽をにおわせるイントロから始まり実際にフロウも演歌とラップを融合させた斬新なスタイルが強調されており声の質に定評のある紅桜の良さが存分に発揮されています。
リリックも包み隠さない地元の岡山弁をふんだんに使っており聴いている人の耳に残ります。
最後のおすすめ曲は「Super Fly」です。DJ hondaとのコラボ曲で当時大きな話題を呼びました。
この音源はDJ hondaがプロデュースしており成熟期を迎える紅桜の勢いを最大限に引き出していてDJ hondaの引き出しの多さと紅桜のポテンシャルの高さを証明したといったも過言ではない作品となっています。
ゆったりとしたリズムと中毒性のあるフロウで何度も聞き入ってしまう人も多いのではないでしょうか。
まとめ
今回は紅桜についてまとめてみました。
ここまでの彼の活動を振り返ってみると人生山あり谷ありという言葉を改めて感じてしまいますね。
紅桜は今後も自分の生き方にぶれることなくヒップホップ界を盛り上げていってくれる人材の一人である事は間違いありません。これからも彼の活動に注目したいですね。